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朝方の紅い月の下で・・・

           〈朝方の紅い月の下で・・・〉




・・・1日目・・・




まだ朝方の事だった・・・。

そして、赤い月が出ていた・・・


『はぁ。はぁ』

ある町の団地で彼は新聞を配ってまわっていた。

そして最後の新聞も配り終わり汗をぬぐいながら帰り道をたどっていた

その途中彼はふと、いつも通りの公園を横切ろうとしたとき、ふと公園の方が気になった。

(ギコ・・・ギコ・・・)

『ブランコ?めずらしいな、こんな時間に・・・?』

彼は腕につけた時計を見ていつもより時間が早い事に気がついた。

そして、またいつもの帰り道に戻ろうとしたとき、かすかな歌声が聞こえた。

(きれいな声だ・・・。)

彼はその歌声の持ち主がどうしても気になり、公園に寄ってみることにした。

そしてその公園のブランコには髪が背中の半分くらいまであるとても髪の長い女の子が座っていた。

『誰だろう?』

彼は引き寄せられるように、静かにそっと彼女のすぐ後ろまで歩いていった。

彼がそこに立ってからしばらくの時が過ぎた







(大丈夫ですか?大丈夫ですか?)

静かな声が聞こえてきた・・・。

(誰だろうこのきれいな声は・・・)

彼は、はっと我に帰った。

そこには、誰だかわからない女の子の顔があった(しかも度アップで)

彼は驚き一歩後ろに下がって驚きの表情をあらわにしたまま言った

『だれ?』

誰だかわからない女の子はさっきの声の持ち主とは思えないほどの

はっきりとそして大き目の声で聞き返した。

『それはこっちのセリフだよ~!だって人が気持ちよく歌ってたらいつの間にか後ろに立っていて目がうつろなんだもん』

彼はそれを聞いて頭の中を黙って整理していた。

『・・・』

『ちょっと聞いてる~?おーい?』

『あっごめん。いま思い出してた。』

『でっだれよ。あんた』

彼女は少しいらついていたため僕は名を名乗る事にした。

『俺は 暁 光輝(あかつき こうき)』

『ぷぷっわっはっはっは変な名前~』

(うわっマジ失礼だ!)

そう思いながらも・・・。

『お前の名前はなんだよ~?』

『あたし?あたしはね~・・・聞きたい?』

『さっさと言えよ(怒)』

『あたしは 歌虞弥 月乃 (かぐや つきの)!かわいい名前っしょ?』

『似合わねぇ~名前。』

彼はボソッと行った。

『なんか言った(怒)』

『いや、なんも~。』

彼はふと時計に目をやった。

『やべ!もうこんな時間だ。早く帰らないと!』

そういいながら彼は逃げるように走っていった。

そして、公園に向かって一言残していった。

『また、明日なぁ~!』

彼は、しばらくして気がついた

『しまったぁ~!』

(つい、言ってしまった。(泣)『また明日』って、初対面じゃね~か! )

変な出会い方をしてしまった彼女は明日もまた公園のブランコにいるのだろうか?

そう、思いながら過ごした一日だった。


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